Works
- 制作年
- 2015年
- クライアント
- 国立循環器病研究センター
- スタッフ
- 制作 / 実装
瀬尾拡史
制作監修
原口亮
(国立循環器病
研究センター)
プログラム補助
中島崇
- サイアメント
国立循環器病研究センター
心臓刺激伝導系立体構造ビューワー
医用画像研究会2015にて発表
心臓刺激伝導系の解剖は既にわかりきっているように思えるかもしれないが、実は未だほとんど研究されていない。
組織切片を調べてみると、刺激伝導系の走行にはかなりの個人差があり、心房や心室との相互的な位置関係が、ひょっとすると特定の不整脈の発生と関係している可能性も十分に考えられる。
本案件では心臓の連続組織切片を国立循環器病研究センターにて部位ごとに塗り分けた後、サイアメントにて立体再構成、及びiPad上で自由に操作可能なビューワーの制作を行った。
切片の縦横の解像度に比べ、切片間の距離が長く、従来のMarching Cubesによる再構成では見た目が汚いだけでなく、本来連続しているはずの領域が分断されていたりと、ビューワーに取り込むにはあまりにも不適切であり、滑らかで且つポリゴン数の少ない3DCGモデルの構築に時間を費やした。
その後、iPad上のマルチタッチ操作に対応させ、リアルタイムでの断面生成機能を搭載し、さらにiPadに標準搭載されているgyroscopeも活用するUIを実装した。
まだ改善の余地は残っているが、これまで培ってきた「正しく」且つ「楽しい」映像コンテンツ制作のノウハウを用い、さらに技術的な課題にも挑戦することで、リアルタイム且つ美しいインタラクティブなサイエンスコンテンツが可能となりつつある。