Works
- 制作年
- 2013年
- クライアント
- 有限会社神風動画
- スタッフ
- 総合監督
水崎淳平
体内CG監督 / 構成
瀬尾拡史
アニマティクス
青山敏之
医学協力
假屋太郎 鈴木雄一
アートディレクション
馬場隆之
CGディレクション
長内就介
リードデザイン
高橋淳平
デザイン
寺山貴之
- 神風動画
サイアメント
Drawiz
Integral Vision Graphics
ドラマ「彼岸島」オープニング映像 体内CGパート
VFX-JAPANアワード2014テレビ番組部門 優秀作品
松本光司による人気漫画「彼岸島」。
そのテレビドラマ化に伴い、オープニング映像を手がけることになった神風動画さんからお声掛け頂いた。
「血液内に吸血鬼ウィルスが蔓延し、人間が吸血鬼となる様子を出来るだけ医学的に正しく描きたい。」との希望により、まずは医学的な検証から取り掛かった。
戦いで傷付いた頬からウィルスが侵入すると言う設定を考慮し、まずはウィルスが静脈血に沿って心臓に到達し、VFから心停止となった後、吸血鬼として生き返り、今度は左心室から動脈血と共に全身に広がっていく、と言う方向性とした。
血液の流れに忠実に従うと、右心房に到達したウィルスはその後肺動脈を経て肺に辿り着き、肺静脈から左心系に向かうことになるが、オープニングの尺を考えるとそこまで表現することは不可能に近かったため、右心房に到達するとすぐに心臓全体のカットに切り替わり、ウィルスが右心系から左心系に向かって一気に感染していくような演出とした。
このように、全体の尺を考慮しながら、しっかりとした医学的な検証を行い、どの部分を省略しても問題が無いか、或いは逆にここだけは削ってはいけない部分と言ったことを適切に取捨選択出来ることがサイエンスCGプロデュースにとって極めて重要である。
ちなみに頬の静脈から右心房に向かうまでの静脈の経路内は、コマ送りで見るとところどころ分岐があり、解剖図譜を見ながらどの静脈なのかを考えるとまた新しい楽しみ方が出来るかもしれない。全ての静脈分岐を再現することは不可能であるが、実は主要な静脈分岐は再現されている。
また、心電図は循環器を専門とするベテランの医師によって何度も手直しされ、教材としても使えるレベルの心電図となっている。
吸血鬼になる前となる後とで、心拍数がどの程度異なるか、QT間隔は正常か、と言った視点で見てみると、新たな気付きを得られるかもしれない。
総合演出及びアニメパートを神風動画さんが、実写合成パートをDrawizさんが、そして体内CGパートのプロデュースをサイアメントが担当した。