また1年が終わってしまいますねぇ。
今年はやはり何と言ってもSIGGRAPH, SIGGRAPH ASIA両方とも初参加にして受賞者 or 発表者としてデビューしたのが自分でも驚きでした。どっちも英語。当たり前だけど。
去年までは1ヶ月後とのまとめを書いていましたが、今年は全体的なことを。
会社的には、やっぱり何といっても新しいメンバーが加わってくれたことで、出来ることが一段と増えました。
それもあってか、自分の頭の中も、「綺麗でわかりやすい医療CG映像を作ること」から「臨床現場で本当に役立つ、3DCGの強みを最大限に活かした本格的な医療用ソフトウェアを作ること」に夢が変わりつつあります。
デジタルハリウッドに通い始めたのが2006年1月なので、かれこれ10年も経つわけです。
その間にスキル面での成長はもちろんありましたが、技術自体が目まぐるしく進歩しているのでスキルを成長させるのは当然として、「周りは自分のことをどうみているか」「医者はどんな思考回路で物事を考えているか」みたいな、経験でしかわかり得ないことをだいぶ吸収できて来たのではないかなぁと思っています。
ちなみに技術の進化で言えば、10年前はMayaは6.5でnDynamicsは存在せず、デジハリの授業でMental Rayは最後の1回だけおまけみたいな感じで習っただけで、画面はSDサイズで、ZBrushなんて聞いたことなかったし、UnityもUEも全く知りませんでした。iPadが発売されるのはまだ随分と先の話で、まさか誰もが普通に持ち得るタブレット端末でグリグリとリアルタイムに3DCGをいじれるなんて、思ってもみなかったわけです。
僕や、サイアメントと一緒に働いてみたい、と言ってくれる若い人たちも現れてきてくれたりして、とても嬉しいと思う一方で、そんなときにすぐに受け入れられる会社規模になっていなきゃダメなんだよなぁ、とか、本当はアカデミックの場に軸足を置いておいたほうが良いのかなぁ、でもどうすれば良いのかなぁ、とか、ちょっと昔であれば考えもしなかったようなことを考えられるようにもなってきました。
医者辞めてからもうすぐ3年経つわけですが、時が経てば経つほど「治療成績を少しでも上げるような、手術時間を少しでも減らせるような、検査手技を少しでもスムースに進められるような、役に立つ3DCGを作りたいなぁ」と思う気持ちが強くなってきまして、もはや医者ではないのに「心は医者です」みたいな雰囲気になってきております。偉そうですね、とても。
2016年は、そんな新しい夢に一歩でも近づけるように出来ればなぁと思います。出来れば十歩くらい近づきたいのだけれども。