5/19, 5/20は東京大学の学園祭、五月祭でした。今年は2日間とも珍しくとても良いお天気でしたね。
そして今年は五月祭と同時開催で、東大本郷キャンパス内にある伊藤国際学術研究センターにて、日本の大学としては初めてとなるTEDx、TEDxUTokyoが開催されました。
会場には大変多くの方が集まった他、各地で生中継もされ、Twitterなどを見る限りでは多くの絶賛の声でした。
私は今回、1人の聴衆として参加した以外にも、SCIEMENTとしてTEDxUTokyoのロゴアニメーション制作で物品協賛としても参加し、さらにTEDxUTokyoの運営メンバーに学生時代からの知人がいたこともあって、今回のTEDxUTokyoの様々な面を見てきました。
5/20の本番を最初から最後まで見ていて最も感じたことは「これはTEDx『UTokyo』である必要があったのか?」と言うこと。つまり、東大でこのTEDxをやる意味がどこまであったのか。
TEDxUTokyoの話を最初に耳にしたのは今から2ヶ月以上前でした。そのときはまだ構想段階のことも多かったと想像しますが、「東大でやるのだから、東大でなければ出来ないTEDxをやりたい。」と言う熱い思いを聞いたことを今もよく覚えています。私もその言葉に深く共感しました。
TEDxUTokyoの代表である本多さんの言葉には「大学は人材と知識、技術が集まる場であって、新しいアイディアを生み、社会にインパクトを与える大きな可能性を秘めています。」と書かれています。その通りだと思います。大学はまさにそうあるべきでしょう。
そして、これも本多さんの言葉の引用ですが、「日本社会の、近い未来の輝くべき将来性を『大学という切片』で見据え、その希望を世界に発信したい。」と書かれています。これもまた大いに共感します。
が、今回の17名のスピーカーの方々の話が「大学という切片」で見据えられていたか、と考えると必ずしもそうではなかったかな、と感じました。
皆さんそれぞれ興味深い話を魅力的に話して下さいましたが、やはり「大学という切片」をキーワードにして、少なくとも自分の大学時代が今の自分にどうつながっているかは話して欲しかったし、UTokyoと言う名前がついているのであるから、やはり東大とのかかわりや、東大は今後どうあるべきか、どう変わらなくてはいけないか、と言った示唆を1つでも提案して頂きたかったなぁと思うわけです。
もちろん、「TED」とか「TEDx」とか言うネームバリューがあったからこそここまで注目が集まり、普段は全く別世界、別次元で生きている様々な分野の方々が交流出来たと言う点では大成功だったのだとは思いますが、やはり「UTokyo」であることにもっとこだわって欲しかったと個人的には思います。
「確かに面白い話だったけれども、それってTEDx『UTokyo』で話さなくても良かったんじゃない?」と感じたものも少なからずありました。
学生スピーカーコンペティションから選ばれた長尾圭さんと佐々木敦斗さんのトークは素晴らしかったと思います。これは、TEDxUTokyoだからこそ出来たことであり、他のTEDxでは出来なかったことだと思います。且つ、2人ともただ自分の経験を語るだけではなく、だから今後どうすべきか、今どんなことを考えているのか、というところまで踏み込んで熱く語っており、それでこそTED, TEDx, TEDxUTokyoだと感じました(必ずしも、東大とのかかわりや東大の今後などを直接語っていらっしゃったわけではありませんが)。
皆さんはどう感じたでしょうか。「あの人のトークはあまり…」とか、そんなことを言いたいわけではなく、「TEDxUTokyo」らしさが出ていたかなと言う点で。
次に(物品)協賛として。
「スピーカ-の間やアーカイブ化する時の始まりに入れるような切り替えムービーを。」と言うことで、今回TEDxUTokyoの物品協賛としてスポンサーをさせて頂いたのですが、正直、「これはちょっと…」と思うところが少なくありませんでした。
TEDxUTokyoのスタンスに共感したから協賛させて頂いたわけで、ギラギラとした宣伝目的があったわけでは決してありませんが、SCIEMENTを含め、他の協賛企業や個人協賛の情報がウェブサイトに掲載されたのが5/18。TEDxUTokyo Exhibitonの前日、TEDxUTokyo本番の2日前です。それもこちらがお願いしてようやくでした。いくらなんでもこれはいかんでしょう。
確かにTEDxの規約上「協賛企業は本イベントの運営に関して一切の干渉権および拒否権を持たず、それは協賛内容によっても解決されない。」となっており、協賛側がああだこうだ言ってはいけないのでしょうが、協賛情報をいち早く掲載することくらいはマナーなのではないかなぁと。
「パンフレット、チラシ、ポスターへのロゴ掲載」というのも協賛企業にはあったはずなのですが、私の見落としだとしたら非常に申し訳ないのですが、パンフレットにもチラシにもポスターにも、SCIEMENTはもちろん他の企業や個人の名前やロゴは、Exhibition企業以外どこにも載っていません。載らないなら、或いは載せることが出来なくなったのであれば、せめてそのことをいち早く伝えるべきだったのではないか、と。
そして、これは完全に私情になりますが、一生懸命作ったロゴアニメーションの当日の使われ方が残念すぎて、今回のロゴアニメーション制作に協力して下さった自分以外の方や、忙しい中で本当に素晴らしい音楽・音響を作って下さったピアニート公爵さんに本当に申し訳なく思いました。
映像の納期にはしっかり間に合わせましたし、それより2週間ほど前にはビデオコンテも送り、映像の大まかなイメージは演出の方々に共有して頂いたつもりだったのですが、当日は、まず第1部では「時間が押していて且つ機械トラブルもあった。」と言うことで1回も流れず、第2部では「では、映像をご覧頂いて休憩に入ります。」と言う司会の方の言葉でわかるように「何とか流しましたよ。」と言う感じで、音も非常に小さく、他の演出から完全に浮いてしまい、笑いまで誘ってしまうと言う、見ていてとても悲しくなる使われ方でした。
全て自分一人で制作したものであればまだ良いのですが、協力して下さった方々やピアニート公爵さんのことを考えると、本当に悲しかったです。
当日初めて会場に入ったとき、赤門のオブジェがステージの真ん中にあり、スクリーンはその赤門オブジェの邪魔にならないように必要時以外には片づけられているような舞台演出になっていたのでとても心配だったのですが、嫌な予感が的中してしまいました。
本当は映像と音楽とが完璧にシンクロした、(自分で言うのもおかしな話ですが)とても良い「作品」に仕上がっていると思うのですが…。
でも、今回TEDxUTokyoに関わらせて頂いたからこそ得られたものもたくさんあって、それはやはり何と言っても、TEDxUTokyoのメンバーだったり、レセプション会場でお話しさせて頂いた方だったり、初めて実際にお会いすることの出来たピアニート公爵さんだったり、「人との繋がり」でした。私のたった5分間のSCIEMENT紹介トークのためにわざわざ足を運んで下さった方もいらっしゃいました。感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。
と、こんな長文で半分愚痴みたいなことを書くと「こいつ何を偉そうなこと言ってるの?」とか「だったら途中で協賛を辞めれば良かったんじゃないの?」とか「結局、作品の宣伝したいだけなんじゃないの?」とか、そのような意見が大半ではないかと思いますが、思ったことを正直に書いてみました。
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コメント失礼します。
私は会場ではなくUstreamでTEDxUTokyoを視聴していましたが、合間合間に流れたSCIEMENTさんのムービーは非常にインパクトがあり、印象に残りました。会場ではなかなか難しい部分があったのだろうと察しますが配信では素晴らしく映っていました。